水の都の流れ星

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「静物園」解題

mostrafondo0702.jpg


昨日と今日のギャラリーの写真は日本の携帯で撮りました。
しかも2年近く前のモデルのはず。ネット掲載が目的なら、これで十分、ねぇ。

さて、今日はわたしが2月にした個展「静物園」の内容のお話。
モノクロ大四つを42枚自家プリントで用意して、結局25枚展示でした。
隅に飾った1枚を除いて、すべて11月末から2月終わりに撮った、冬の写真です。
以下、自分の覚書と頭の整理を兼ねているので、長くなります。
面倒な方は、本日はすっとばしプリーズ、です。

展示中、被写体は何か、というお話はしましたが、
それによって何を表現したのか、という解題は特にどなたにもしませんでした。
どなたも、そういう質問をした方はいませんでしたし。
あの方もあの方も(謎)そんな質問はしなかったところを見ると、
誰にとってもそんなこと大切じゃないのかもしれません。
そこに見えるものがすべてなのかも。
わたしの方でも今も、皆さんに伝えたいことは特にない、ということもできます。

最初は、入ってきた人がぶるっと震えるような、きーんと緊張感がある展示が目標でした。
空気の冷たさに、耳が冷たくなって聞こえにくくなり、目がうるんでかすんで、
その中で熱いのは自分の体だけ、その体温さえ奪われていく、
撮影時のようなそんな寒さをご一緒に、と。

でもご覧になった皆さん、ぜーんぜんそんなの感じませんでしたよね(笑)。
むしろ、雪や枯葉のにおい、そして温もりとやさしさ、のような展示になっていたと思います。

過去2年半ほどで200本弱あるネガから、お気に入りを選び、テーマに沿わないものを落とし、
さらに厳選したつもりが、いざ大きく伸ばすとピントが許せないほど甘かったり、
訴える力が今ひとつのものも落とし、42枚やっと揃えて瀬戸正人さんにお見せしました。
雪のプリントは、もう一度焼いたらいいのにというお気持ちがあるみたいでしたが、
そこからなんとか29枚選んでいただきました。
搬入のとき、大田道貴さんのご指導の下いろいろ並べた結果、4枚落ちて25枚になりました。

この瀬戸さんと大田さんのお力添えをいただく経過で、
どんどん甘くやさしくエレガントな雰囲気が増していったのです。
実際、え、いいのかな?ダサ子な本人の内容とはかなり違うし、
そもそもこのギャラリーの乾いた俳句的な傾向とは違うような?とは思いつつ、
原案とは違う圧倒的な洗練に、ひれ伏したというのが正しいところです。
「伝える」「見る人の印象に残る」という点からは、最高のお力添えだったと言えるでしょう。

選んでいただいたとき、ごくごく初期に撮ったもので、
わたしは自分の核に近いものだと思っていたにもかかわらず、
当時見せた相手の反応が薄くて、これは写真としてはどーってことないんだ、と
諦めていた写真がたくさん入ったのに今でも驚いています。
以前の写真日記をごらんいただいていた方にとっては、
黙々と毎日モノクロ写真だけを掲載していたあの日々からのものも多いです。

もちろん最初から全部自分で選んで過不足なければ、一人前のアーティストなのでしょう。
でも、こうやって自分の「ど真ん中」を改めて確認することもあるんだな、と
とても貴重な体験でした。

DMは過去ログにも掲載しましたが、これはそんな初期の一枚です。
初めてモノクロプリント教室に行ったときの、撮影遠足で撮りました。
これも瀬戸正人さんが選んでくださったものです。
こちらのギャラリーのDMのスタイルは他のギャラリーとは一味違っていて、
以前からファンだったので、ここで自分の写真を使ったDMがいただけて涙モノです。
デザイナーさんありがとうございました。

では、初めて解題のようなものを。

「冷たい冬の日に、死んでゆく小鳥の脳裏に浮かぶもの」
そんな風にまとめられるのではないでしょうか。
雪の下では植物たちが再生への力を蓄える中、
小鳥にはもう春は来ないのです。
楽しかった日々、悲しかったひととき、ふと見て心に残ったもの、今見えるもの
そんな記憶の断片を去りゆきながらひとつひとついとおしむように見る視線。
元気いっぱいの自分がときどきそんな目でモノを見ているのをとても不思議に思います。
自分の中で「涙目写真」と勝手に名づけているジャンルでもあります。

まっ、普段はもっと何も考えずに撮ってることの方が多いですけどね(笑)。
そんなのわざわざ発表してなんの意味があるんだ、というご質問には、
意味はないですよねぇ、ととぼけるしかないですよね(笑)。

でもお寄せいただいた感想には「さわやか」とか「ざっくりした捉え方」とか、
「わざとらしい」とか「何がいいたいのかわからない」とか、
いろいろに見えるのね、とうかがうのが楽しかったです。
「きれい」とか「うつくしい」という言葉も、
褒め言葉と受け取ってお礼を申し上げると同時に、
ああもっと奥まできてほしい、と感じてしまいます。

個展期間の最後の土曜日は、ギャラリーで写真の「夜の学校」が開かれる日でした。
ワークショップで、皆さんがどれがお好きだったか、どんな感想をもたれたか聞く機会があり、
わたしの意図したことは、ほとんど伝わっていない(笑)、
「静物園」というタイトルがふさわしいと思った方は、ごく一部である(笑)、
(だって飛ぶスズメだの人の一瞬だの、静物じゃないじゃん、という意味だそうです。
おかげさまで、「そういう既成概念を裏切りたかった」とお返事することができました。)
で、とても参考になりました。

一番人気は、室内に2つの椅子が並んだ写真です。
わたしが、ああ、これは中で一番ドラマがつまった写真ですよ、と言うと、
瀬戸さんが「でもそんなの全然写ってないよね」とおっしゃったのが印象的でした。
そのカットの3分後に、そこに亡くなった義父と、義母に並んで座ってもらってポートレイトを撮ったのです、
などというセンチメンタルな解説は、おかげでせずに済みました。
こんな機会を発表者、そして生徒さんに与えてくれる瀬戸さんはやっぱりすごいな。

皆違うね、うふふ、と微笑みたくなると同時に、厳粛に受け止めようと思います。
わたしが写真を撮って編集して他人に伝える能力と、
見る人それぞれの見る力、過去の経験と思考の投影、それが複雑に絡み合って、
ぶつかり合うのが展覧会、という風に、今はとらえています。

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  1. 2007/03/06(火) 22:30:30|
  2. 管理人参加の展覧会情報
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

まみさんどーも。

こんにちは♪コメントありがとうございます。

思ったより裏はいろいろありますよね、なんでも。
最近かなり隠しおおせてますが、
けっこーリクツくさく、あとからいろいろねちねち分析するタイプです(笑)。

なにも考えずに、パチパチ撮るのが幸せだと思いますよ。
わたしもそういう方向に、自分を持っていこうといつもコンディション調整してます。

撮ったら、見せてください。
本気で言ってます。
楽しみにしてます。
  1. 2007/03/07(水) 13:18:37 |
  2. URL |
  3. きら #-
  4. [ 編集]

こんにちわ☆



こんにちわo

読んでいて、とてもとても、深く面白いですね♪

私はてっきり、暖かさだけを感じていましたo

何も考えず、深く入り込まないで

優しさと温度だけを感じていましたo


今、デジカメを持って歩いているのですが

ゆっくり考えながら、パチリとしたいと何だか

チャレンジしてみたくなりました♪

  1. 2007/03/07(水) 08:15:20 |
  2. URL |
  3. まみ #/oqtr5Qk
  4. [ 編集]

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